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Side story of "Chuya's Cooking diary"
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─マリア。お客様の食器をお下げして。


少しお邪魔しますね。ああ、どうぞ座ったままで。
食事は楽しんで戴けましたか?



良かった。
このGoat's Ariaの客人として迎え入れたからには、食事の質だけは満足してもらわないとね。
食後はお酒を?それとも紅茶?



蒸留酒なら、自家製ですがブランデーかラムが。



──戻ったついでに、ブランデーとグラスを。うん、二つお願い。


っと、失礼。
御挨拶が遅くなりましたが、当船の司厨長を勤める中也といいます。
滞在中に不便があれば、僕か船長のエドガーか、このマリアに。



ええ、よく聞かれますが。僕は船の持ち主で、海上では船員の一人です。
確かにわがままを通したりは出来ますが。



そうですね、珍しいかもしれません。
でも、能力のある人に任せちゃうほうがいいと思いません?
僕は調理しかできないし、海戦も航海術もからきしなんです。

あ、それで思い出した。

ウチのボスから聞いてる筈ですが、念のため確認させてください。
僕が約束できるのは「この船はなんとなくカリカット方面を目指していて、いつかカリカットに到着する日まで、この部屋の中は貴方の自由」それと「乗船中の美味しい食事」の二つだけです。
よろしいですか?



よかった。
まあ、そういうわけで安全とかスピードは御約束できませんが、食事だけは楽しんでってください。好みとかあれば合わせますので、お気軽に。

──ああ、ありがとう、後は僕がやっとくから休んでいいよ。
──っと、まった。エドガーに「あと宜しく!」って。うん。ちゃんと親指立てるんだよ。そうそう。

どうぞ。自慢の逸品とまでは行きませんが、それなりの出来ですよ。



ええ、さっき言ったとおり、僕は能無しですから。船が動き出したら、することも特にないのです。



ところで、何でこの船に?



いえ、普通にカリカット行きの船なら、同じ商会でも朝凪提督の艦隊あたりをウチのボスなら紹介するだろうと。
何かおかしな条件でも出されてない限りは、僕の船が紹介されることはないと思うので。



ほう、小説ですか…。



いえ、マロリーとかは、僕も読んでますから。
確かにそういったものを下賎な趣味だという考え方があるのは知ってます。特に僕らの母国では…ね。
でも、戯曲が良くて、なんで小説が駄目なんでしょうね?







なるほど、そういうものですか。難しいものですね。
で、小説と僕の船になにか関係が?






あははは!それは僕が推薦されるわけだ。
流石、我らが商会長。よく見てる。



いえいえ、本当にうってつけだと思いますよ。我らがGoat's Ariaなら。
「速度より、居住環境」「寄り道がおおく、時折スリリングな体験」ね。
くっくっく。これは傑作だ。



ちょっと、スリリングすぎることもあるでしょうけど、御希望はかなえられるのでは、と思います。ええ。



まあ、昼に何もない日があったら、少しずつ昔あった面白い話でもいたしましょうか?僕も船の上では暇していますから。



ええ、僕みたいにプラプラしている船乗りは海の神に嫌われるみたいで、よく良くわからない天罰が時々振ってきますよ。
でも、今日は旅立ちで神経も高ぶってらっしゃるでしょうから、これで失礼して、その話は、また明日といたしましょう。

眠れないようでしたら、甲板員には伝えてありますから、デッキに上がられるのも御自由です。掌帆長のフェデリコ・ガルシアに声をかけてもらえれば、一人甲板員をつけてもらえるようになってます。



いえいえ、ボスから預かった大事なお客様ですから。
僕が言うのも変ですが、良い航海を。
では、おやすみなさい。
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プロフィール
中也
大航海時代Onlineの世界を遊びまわるぐうたら調理師・中也の落書き場所。

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